社員の成功を自分の責任と捉え 信頼・|アチーブメント株式会社

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社員の成功を自分の責任と捉え 信頼・尊敬される社長へ

  • 浅野泰生

    浅野泰生
    株式会社MAP経営 代表取締役

    就職活動時に内定がもらえず、親のコネで国内最大級の飲料メーカーに入社するも、その後職を転々とする。最後の転職と決意し、2006年に株式会社MAP経営に入社。365日年中無休で働き、入社からわずか一年社員番号にして42人抜きで同社史上最年少の取締役に就任。2011年10月に専務取締役、2014年1月に代表取締役就任。2010年には現業の傍ら、税理士試験の合格を果たす。「MAP経営が中小企業支援のリーディングカンパニーになる」と決意し、実現のために日本全国で活動。著書に『最強「出世」マニュアル』(マイナビ新書)がある。

物足りなさを感じた社員からの信頼

私はこれまでに4度の転職をしてきました。理由は仕事のつらさ、やりがいのなさ、時には報酬への不満などさまざまでした。4社目を退職するころには離婚も経験。「どうせ十分な慰謝料も払えない」と言われ腹が立ちましたが、言い返せませんでした。猛烈な悔しさと情けなさを感じた私は、「これでは一生ダメになる」と感じ、5社目となる今の会社に骨を埋める決意をしたのです。
知識も技術もなく、毎日朝から晩まで必死に働きました。休日も出勤し、遭遇した役員から驚かれることもしばしば。そんな姿勢を認められ、私は平社員で入社した1年後に取締役、8年で代表取締役に就任しました。
必死に働くことで成功を創りだした私は、「それこそが正しい生き方だ」と次第に社員に対しても同じことを求めるようになりました。しかし、それを気に入らない社員も多く、「どうして受け入れられないのか」と葛藤。そんなときにアチーブメントの青木社長に出会い、『頂点への道』講座スタンダードコースを受講することになったのです。

社員の願望把握と自己成長に専念

受講初日から、私は大きな気づきを得ました。「人はなぜ行動するのか」を説明した選択理論から、「個々によってバランスの異なる欲求を満たすために、人は行動している」ことを知ったのです。それにより、私のことをよく思わない社員がいる理由がわかりました。自分と同じことを社員に一方的に要求してきたことが、タイプの異なる社員との距離を遠ざけていたのです。また、社員の求めているものを書きだす宿題ではまったく手が動かず、「相手のことを知らず、一方的な要求だけをする経営者についていきたいと思うはずがない」と焦りにも似た感覚を抱きました。どうにかしようと思った私は、受講後から社員の願望を聞くために1対1の面談をはじめたのです。
ところが、社員の口から本音はなかなか出てきません。それは、社員自身が願望を描けていないことに加え、私に話すことへの抵抗感から来ているようにも感じました。そこで私は、相手を変えようとする前にまずは自分が「この人になら本音を話せる」と社員から思ってもらえるような、信頼される人間を目指すことにしたのです。

会社全体の責任を持ち社員から信頼される自分へ

さらなる成長を求めて参加した体感型の講座では、私がいかに自分のことしか考えていないかを痛感しました。振り返れば面談でも、無意識に考えるのは「どうしたら意見を通せるか」や「どうしたら自分の利益を増やせるか」ということばかり。なかなか治らない思考の癖と向き合いました。
またちょうど同じ時期に、先代である当時の会長が引退。それまでも社長としての責任を感じてはいましたが、「自分に何かあったら経営や社員の生活が揺らぐ」と責任の大きさを改めて自覚しました。「社員の人生を背負っている」ことを再認識した私は、社員の成功を本気で願い、また社員から信頼されている青木社長の姿を見て、「自分もビジネスだけの関係ではなく、社員と人生を共有し支え合えるかっこいい経営者になりたい」と思ったのです。
それからは面談も、ビジネスに限らずどんな人生を送りたいのかを共有しあう時間にしました。そして、例えば家族のいる社員には、転勤になった際に少しでも応援してもらえるよう、私からご家族に直筆のお手紙を書くようになりました。はじめのうちは意識的でしたが、社員の話を聞けば聞くほど、そして社員が喜ぶ姿を見るにつれて、心の底から社員の成功を自分がサポートしたいと思うようになったのです。
子会社設立時のこと、こんな出来事がありました。少し厳しくすると黙り込むことの多い、先代のころからの社員が、不安そうな発言をしたのです。私は「周りにも影響が出るから、メンバーから外れていいよ」とつい厳しめに伝えてしまいました。いつもだったら黙り込んでしまう状況。しかし、このときの彼は「少し考えさせてください」と言うと、2日後に私あてに手紙を書いてきたのです。彼の私に対する「宣言文」でした。そこには、「不安な気持ちもあるけれど、私は浅野さんと一緒に会社の歴史を変える」と書かれていたのです。これを読んだ私は、「自分が彼を成功させなければならない」という使命にも似た決意とともに、これまでにはなかった社員からの強い信頼を感じて胸が熱くなりました。

経営計画を軸に全中小企業に輝く未来を

時間はかかりましたが、このように徐々に社員が私を信頼してくれるようになりました。また、私に心を許してくれた社員が、願望や価値観を話してくれるようにもなったのです。そして、今まで以上に深い話をするなかで、私は新たなことに気づきました。それは、社員も実は会社の理念を考えていること。さらには、社員と私に共通している価値観があるということです。
このことに気づいた私は、社員自らが自分の取り組みを評価するための面談シートを作成。それを基に面談をしてみると、私がその社員に伝えたいことの8割は社員自身が振り返りシートに書いてきたのです。私はそれを見ながら振り返りを承認し、「私もそう思う、期待しているよ」と期待を伝えることに徹しました。そうすることで、私の期待に応えるかのように社員の主体性が向上し、サービスの質も提案の積極性も増したのです。
その結果、業績は社長就任以来3期連続で増収。社員一人あたりの生産性も年間で1000万から1400万円まで増加しました。今、これまでの組織の変化や業績の向上を創りだす「最も根幹にあったものは何か」を振り返ると、間違いなく「社長としての自分の成長」だと思います。お互いがバラバラな方向を向いていた状態から、まず私が社員の方を向いて歩み寄る。そのことによって、次第に互いのことを考え、同じ目的・目標を目指すようになったのです。そして、これは私たち以外の会社にも当てはまることだと思います。よい会社を創るためには、まず社長が成長すること。社長が成長し、成功をサポートすることで社員の成長が加速し、会社に関わるすべての人に貢献できるのです。私たちは経営計画を広めると同時に、世の中によい社長を増やしていきます。そしてこれからも私たち自身が成長を続け、すべての中小企業が輝く未来を創っていきます。

  • 中小企業支援のスペシャリストとして、「理念経営」「永続的な企業発展」などをテーマに講演を行っている。

  • 社員に期待を伝えることで、社員の主体性が向上している

  • 理念を共有した社員とともに、「中小企業の輝く未来を創造する」ことに邁進している。