達成するたび未来を想像して苦しくなった
「生涯にわたってお客様と向き合っていける仕事に就きたい──。」そう考えて転職を決意したのが40歳の頃です。医療機器販売やマーケティングを通して開業支援を行う医療コンサルティング会社に勤めていましたが、会社が開業後のサポートを重視しておらず、十分な支援ができないもどかしさがありました。キャリアを重ねるにつれ、マネジメントや社内の調整に追われ、お客様との時間が更に減っていきました。役に立っていると納得感を持って言えず、本来求めている仕事ではないと思い、転職を決意しました。そして、数職種を検討し、一生お客様に寄り添える生命保険の仕事に心を決めたのです。
今の会社では、1週間に3件の契約成立を目指す文化があります。決して簡単な基準ではなく、かなりの労力を要しましたが、初年度から50週連続達成してきました。一見順風満帆のようですが、この負荷は大きく、50週終えた頃には、燃え尽きたような感覚がありました。「このペースでは辛すぎる。次の1年は歩調を緩めよう」と、真剣に悩んでいたときに出会ったのがアチーブメントでした。もっと成果を出したい、良くなりたいという一心で受講を決意しました。
妻の夢を叶えたい明確になった人生の原動力
『頂点への道』講座を受講して最も印象に残ったのは選択理論心理学の存在でした。人が動く理由は外からの刺激ではなく、本人の考え方に寄り添って本人の中に眠るやる気や原動力であるということは、前職でのマネジメント経験でも意識をしていましたが、漠然とした概念が体系化され、自分のやり方が間違っていなかったという確信を得ました。同時に、これまでにない深いレベルで「私の原動力とはなにか?」というテーマと深く向き合う時間でした。
これまでは成果を必死に追っていましたが、受講中に幾度も自問自答を重ね、見つけたのが、「妻との共有の夢を叶えること」でした。以前に「外国に移住したい」という願いを聞いていましたが、妻の本当の願望は「恵まれない子どもたちを育てられる幼稚園を建てたい」ということだったのです。私たち夫婦は長らく子どもを授かれず、一時期は里親として子どもを預かることを真剣に考えたこともありました。努力の末、子どもを授かりましたが、妻は里子候補の子どもの顔が忘れられないと本音を打ち明けてくれたのです。「命の大切さ」を知ったからこそ、そう感じたのだと思います。最も身近で最も大切な妻の思いを初めて知ったと同時に、何が何でも妻の夢を実現させてあげたいと心の底から思ったのです。これが私の原動力であり、人生の目的であると気がつきました。
受講後は、意識が大きく変わりました。以前は週3件契約の連続達成が目的でしたが、それは妻との夢を実現するための手段だと捉えられようになり、二の足を踏んでいた100週への挑戦も、躊躇することなく決断しました。目標を達成し続けることが重荷とは感じなくなり、仕事に対する情熱がよりいっそう高まったのです。
新基準において最短で最高職位に昇格
アチーブメントで継続的に学ぶようになった後の、営業成績の伸びは劇的でした。転職2年目の売上は、前年の3倍を超えてCOT基準を達成。年に1度の社内アワードでも毎年実績を積み重ね、入社後3年で、最上位の基準をクリアしました。また今年1月から3月の3か月間では、270件の契約をいただき、入社当初から目指していた最高職位になるという目標も達成できました。これは現在の新基準ができて以来、最短での達成だったそうです。そのような結果を出しつつも、家族と一緒に過ごす機会を以前にも増して増やしています。共有する夢の実現に近づくために、妻や子どもと話す時間を増やしたいという思いが高まっているからです。
今では、仕事・プライベートの時間の約9割を、地域活動や社会貢献活動などに充てています。純粋に、人の力になれることが大好きだからです。そのような活動で広がったおつき合いが、結果として契約に結びつくことがありますが、最初から営業目的で行っているわけではありません。ご縁ができた人にとって、役立つ人間であろうという姿勢で接することによって信頼され、自然に仕事の話に結びついていくというケースがほとんどです。
成果を出すということは、価値を提供できているということであり、選んでいただける人間になるということ。講座で学んだこの考え方を行動で体現し、相手の願望の実現に注力した結果であると感じています。
医療業界に選択理論を普及するメッセンジャーとして
生命保険会社での仕事をしつつ、前職でご縁ができた医師の方々に向けて、無料でコンサルティングをするという活動も行なってきました。実は多くの医師が職員との人間関係で悩みを抱えているのです。人間関係は金銭を払って解決できる問題ではないだけに、より深刻化することも多いのです。そうした現状を知るにつれ、医療業界に選択理論心理学を広めていきたいという思いが強まりました。医師と職員の関係性がより良好になれば、医療のクオリティがさらに高まり、医療機関を利用する患者様にもメリットがあると考えたのです。そのためにまず自分の伝達力をトレーニングしようと、プロスピーカー・トレーニング・プログラムを受講し、昨年プロスピーカーチャレンジをし、無事合格しました。
縁ある方に選択理論を伝え、豊かな人生に導くこと。言葉で言うのは簡単ですが、いざやってみると容易いことではありません。たくさんの挫折や失敗を経験します。しかし、それでも思い入れのある業界や仲間たちや妻がもっと幸せに働ける社会を作りたいという思いに立ち返ると、力が湧いてきます。多くの方にとって逢えて良かったと言ってもらえるよう、これからも貢献の生き方を選択し続けていきます。