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経営者としての心構えが変わり「離職ゼロ」と「業績のV字回復」を実現

栗原 孝太郎株式会社孝和建設 / 株式会社栗原不動産 代表取締役社長
課題
周囲からは「あいつは終わった」とささやかれる
社内の理念共感が弱く人間関係が険悪
約30名の組織で約30名が離職
効果
商品の質が向上し、グループ連結で経常利益1億を突破 ※株式会社孝和建設と株式会社栗原不動産の連結決算
団結力が高まり、全国から採用応募が集まる人気企業へ
営業のやりがいがアップし、約1年半、グループでの離職がゼロに

優しくしているのに社員が30人も離職

わが社は、人口12万人ほどの佐賀県唐津市にある工務店です。父から事業継承した二代目社長として、社員3名から約30名へと会社を成長させました。しかし、『頂点への道』講座を受講する前は、「あいつは終わった」と周囲から言われるほど、上手くいっていなかったのです。 大学卒業後に勤めた大手広告会社では、多くの賞をいただく営業成績を上げていました。そこから帰郷し、24歳で会社を継ぎ、身につけてきたマーケティングスキルを生かして5年で会社規模を10倍にしました。はたからすると、成功者に見えたと思いますが、会社の内情はボロボロ。売上は上がっても、離職が絶えず、うまくいかないことを人のせいにする他責の風潮が社内に渦巻いていました。理念ではなく会社の勢いに惹かれた人材を採用してきたためか、少しでも業績が停滞すると「社長の経営方針のせいだ」と、「マーケティングのことしか知らないボンボン経営者」と社員から見下されていたのです。 それなのに私は、社員に一言も言えませんでした。子供時代にいじめられたトラウマから人に心を開けなかったのです。嫌われたくない、優しい人だと思われたいという気持ちで心のなかはいっぱい。社員に耳障りのいい言葉しか言えない経営者に成り下がっていたのです。

「ぼくたちのパパ、すごいでしょ」 わが子の言葉に涙

そんなとき、勧めを受けたのが『頂点への道』講座です。初受講当初は、できていないことだらけで、経営者としての無能さを突きつけられた気がして、正直吐きそうでした。でも、たった一つ、心に残ったメッセージがあります。それは「事実は一つ、解釈は無数」という言葉。このとき、ぼんやりと「もしかして、自分の解釈が間違っていたから、経営がうまくいかないのか」と思いました。でも、本当の意味で腑に落とせず、行動変容までは至りませんでした。その後、30人の組織で30人の社員が辞めるという大量離職が発生。悪夢で目覚めたり、ジョギングをしていて涙が止まらなかったりしたこともありました。そして、ちょうどその頃、長男に発達障がいがあることが判明。押し寄せてくる試練に、絶望的な気持ちでした。 そんな私を覚醒させてくれたのは、ほかでもない、家族でした。「僕たちのパパは社長なんだよ。すごいでしょ」と誇らしげに話す子どもたちの声を聞いたとき、本気で泣けてきました。そして妻に、「俺は全然いい社長じゃない。まわりからは終わったと言われている。幸せにできなくて申し訳ない」という本音を打ち明けたのです。 すると妻は、こう答えました。「私は幸せだよ。子どもたちもいるし。長男だってかわいいじゃん。もし会社が危ないなら、この家売ろうか?アパート暮らしもいいね。何なら私も働こうか?」 このときに、問題は現状に感謝できていない自分、身近な人を大切にできていない自分にあると腑に落ちたのです。社員が辞めるのは、そんな状況を自分が作っているからだと思うと、今いる社員への感謝が芽生えてきました。自分を信じて在籍してくれている。なんてすごいことなんだ。そう考えたとき、「事実は一つ。解釈は無数」という言葉が、腑に落ちたのです。一度折れて、弱みを知り、人の痛みが分かる自分だからこそ、強く生きられる、自分が変わろうと誓ったのです。

他責を捨て、自分が変わることで離職ゼロに

疑念や批判の目で人を見るのではなく、感謝を持って接すること。この重要さを知って以来、私のなかに「決して人のせいにしない」という覚悟ができました。私を信じることを選んでくれた妻や、会社に残ることを選んでくれた社員を必ず勝たせる。そう自分自身に固く約束しました。 この頃から、私の言動が変わりました。朝礼で社員に「会社で起こることはすべて社長である私の責任。まず私が変わる」と宣言しました。以前は、言葉で社員を励ましたりほめたりしていましたが、心のなかではどこか「ほめてやっているんだから言うことを聞け!」という、人を変えようとする気持ちが働いていました。これ以降は、行動で示すことを重要視し、社員の日報には、夜中何時になろうともすべて返信し、社員と話すときは、離職のリスクを覚悟で、言うべきことを本音で言うようにしました。ただし、ミスは決してとがめず、頑張りを認めた上で、原因を確認し、改善点をともに明確化して、努力より選択の質が重要だとフィードバックするようにしました。 採用のやり方も変え、「失敗を繰り返したからこそ、いま社員に感謝している。この仕事はラクではないが価値はある」と、自己開示した上で理念・ビジョンを語るようにしました。その結果、いまでは地元のみならず、全国から人材が集まるようになり、離職はゼロになったのです。

価値ある違いを生み、 日本の家庭を豊かにしたい

家づくりの仕事は、分業制が一般的で、仲間同士で責任転嫁しやすい傾向があります。これをなくすため、一人の社員がすべての領域を担当する体制に変えました。もちろん負荷がかかるので、売上減、独立、教育の難易度が上がるなどのリスクはありましたが、社員がお互いを理解し、感謝の気持ちを持つことのほうが重要だと考え、決断したのです。結果、商品の質が上がり、無理に広告宣伝しなくても売れる「本物の商品」を提供できるようになりました。社内で良好な信頼関係を土台に、組織の理想実現に対して一致団結できるからこそ、社員は内発的にお客様の声に耳を傾けることができます。徹底的に寄り添い、お客様の求めるものを叶える仕事に徹し続けたことで、組織全体の生産性が上がり、売上・利益ともに過去最高を記録し続けられています。 現在は、講演をとおして社会に貢献するプロスピーカーとしても、学びを重ねている最中です。過去いじめにあった人間として、障がいを持つ子の親として、経営に苦しんだ二代目として、私にしか伝えられないメッセージがあります。苦しんでいる人に、その苦難を克服する技術を届けたいのです。それが、今のビジネスの根底にある思いともつながり、さらなる成長をもたらしてくれると信じています。

プロフィール
佐賀県唐津市の地域ビルダーである孝和建設を経営。新人時代、大手広告代理店で圧倒的な業績をたたき出したあと、20代前半で帰郷し、父の会社を引き継いで代表に就任する。会社規模を5年で10倍にするも、従業員からの訴訟や他社の引き抜きに苦しみ、大量の離職と経営の危機を招いた。しかし、2015年の『頂点への道』講座初受講をきっかけに自らのマインドを変え、逆境から復活。3年でグループ連結1億の経常利益を記録し、全国各地から入社希望者が集まるほどの人気企業へと成長させた。家庭では三児の父。

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