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「競争」から「共創」へ 離職率53%から0%への変革の物語

安中 繁ドリームサポート社会保険労務士法人 CEO 最高経営責任者
課題
勝つことがすべての価値観
亡き父を恨み続けていた人生
事務所の離職率は50%超え
効果
共に勝つことが腑におち 土台の価値観に
恨みの感情を卒業し、人を信じられるように
受講から3年で離職者はゼロ

「ライバルには圧倒的に勝て」が座右の銘だった人生

僅差で勝つのは妬みを生むが、大差で勝てば称賛を受けられる。だからこそ、やるからには徹底的に打ち負かす。これが長年の私の考え方でした。社労士を選び、絶対に成功すると決めていた私にとって、結果を出すことは当たり前の範疇でした。おかげさまでそれなりの実績を作ることができ、独立もして徐々に組織は成長していきました。収入でも何不自由なく、世の中一般的に言えば優秀な社労士先生というような評価をいただくようになりました。その頃の私はどんなイメージだったのかとスタッフに聞くと、「キレッキレの刃物のような女」と言われます。常に何かと戦っていて、心のなかはどこか落ち着かない気持ちに埋め尽くされ、不安でした。しかし不安の原因がわからず、行動をしてかき消そうとがむしゃらに生きていたのです。

そして、2018年に顧問先の経営者の方から半ば強引に誘われて受講をしたのが『頂点への道』講座でした。正直初めは興味はなく、講義内容を「知っている、私はできている」と思いながら聞いていました。しかし、同じテーブルの先輩受講生たちのお話から大きな気づきがありました。それは、「この人たちは知っているだけではなくて、実践している…!」ということでした。聞けば聞くほど、そして先輩受講生の関わりを受ければ受けるほど、自分との違いに気が付いていったのです。「もしかしたら、この学びは価値があるかもしれない」と半信半疑な気持ちでしたが、継続学習の仕組みの説明を受け、再受講だけ申し込んだのが初回の受講でした。

「恨み」が「感謝」に変わった日

転機を迎えたのは、3回目の再受講のとき。同じ講座を学び続けて意味があるのかと思っていましたが、びっくりするくらいに受け取るメッセージが違いました。私の心に刺さったのは、「親孝行」というメッセージでした。

小さいときから、年子の姉と一緒に山形で育ちました。平たく言うと、父から虐待に近いことを受けていたのです。それが嫌で嫌で仕方なくて、逃げるようにして姉と東京に出て、社会人生活が始まりました。今思えば、父に対する反発心、愛されてこなかったコンプレックス、そして周りに自分のことを認めさせてやるという劣等感ゆえの思いが、私のエネルギーの原点であったように思います。「この人のせいで私の人生は理想どおりにいかないんだ」と恨み続けていて、顔も見たくありませんでした。結婚してから1年が経ったころ、父が急性心筋梗塞で亡くなったのです。正直「亡くなってくれてありがたいくらいだ」と思っている自分がいました。亡くなったあとも、父を絶対に赦さないと心に決めていました。

そんな私にとって、講師である青木社長の壮絶な生い立ちがとても重なりました。しかし、青木社長は「トレーニング」と表現されていました。それが衝撃でした。父は私からたくさんのものを奪っていったとばかり考えていましたが、何かもらったという視点に立ったときに、父の立場に立ったときに、見えていたものが変わっていったのです。私も子を持つ一人の親ですので、我が子を思う親の気持ちは痛いくらいにわかります。父は私に対して、そんな愛情を持っていなかったと思い込んでいたのですが、青木社長の話を聞いて思ったのは、父も最善だったということです。きっと私や姉のことを愛していましたが、その愛情を表現する方法を知らず、手を出すという選択をしていたのだと思いました。父自身がきっと誰よりも苦しかったのだと思ったのです。これまで、赦す赦さないという視座に立っていましたが、それは私中心の考え方でした。父の苦しみや大変さを知ろうとしていなかった自分は、親不孝だったのだなとこのときに思ったのです。

大きな転換点でした。しかし、一筋縄では行きませんでした。「私が本当に大切にしたいこととはなにか?」とたくさん自問自答しました。たくさんもがきました。そうして得た答えは、「父のような人が認められ、幸せに働ける、そんな社会を創りたい」という思いでした。幸せに働く大人が増えれば幸せな子どもが増える、幸せな家庭が増える、幸せな社会ができる。この職業を通じて幸せな国づくりに貢献できる確信が持てたのです。そして、自分の身に起こったすべてのことに素直にありがたい気持ちを持つことができたのです。

「信じること」の意味を知り
躍進への大きな足がかりとなる

その変化は、社員への関わりに大きく影響しました。これまでは疑っていました。どうしたらちゃんと働いてくれるのだろうかと。今は、心の底から社員を信じることができるようになりました。誰しもが純粋でかけがえのない存在であって、会社を仲間を社会を良くしたいと本当は思っていると信じることができるようになったのです。接するスタンスが変わりました、話す頻度が変わりました、より本音を話してくれるようになりました。お金や地位や名誉といった「条件」ではない、本当の意味での心の繋がりができたように感じています。受講前、私の独りよがりな経営で離職率は53%を超えていました。受講から3年経ちますが、この3年は一人も辞めていません。人は、心の底から本気で自分を信じてくれる存在がいると確信したときに、本来の力を発揮する。その力を引き出すのは誰でもないトップの考え方であると、身をもって学ぶことができたのです。そして未来を描けるようになりました。例えれば、受講前は2階の家を建てようと経営していましたが、今はそうではありません。100階のビルを建てようとしています。だからこそ健全な投資をします。社会の発展を担える人材が育つ組織を創りたいという思いから、社内の反対に屈せず、新卒採用を始めました。顧問先にも「ご迷惑をおかけするかもしれませんが、新卒社員も担当をさせてもらいます。社会を担える人間を育てていきたいのでお力をお貸しください」と明確に伝えて、案件を持ってもらっています。まさに「共創」です。

紆余曲折あり、試行錯誤を重ねてきましたが、徐々に発展の礎ができてきています。今は種まきの段階ですが、ここからさらなる発展に向けて、着実に前進し続けてまいります。

プロフィール
大学卒業後に税理士事務所に入社。経営者支援に携わり、経験を積んだのちに、2007年に安中社会保険労務士事務所を開設。2015年に法人化し、代表社員に就任。約300社の顧問先を持ち、事前対応のコンサルティングサービスに強みがある。労使紛争から人事制度設計まで幅広く担っており、新しいワークスタイルの選択肢である「週4正社員制度」の導入などを得意とする。全国各地での講演活動にも取り組んでおり、注目を浴びている。
組織の未来を考えたり、相互研鑽しあう機会を多数設けている
30名を超える社員が志一つに活動している

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