卓越した実績を残すも組織づくりの課題に直面
「今年はギリギリ黒字だったな…」。受講前は、決算後にそのような安堵感に浸っていました。黒字と赤字を行ったり来たりの経営でした。保険業界に長く従事してきたので、もちろんアチーブメント社のことは知っていましたし、部下にも受講してもらっていました。ただ、「売れるための学び」だと思っていたので、私は受講をしておりませんでした。ところが、実際に自分で会社経営をしてみると、難しいことが多く、どこか限界を感じていた頃だったと記憶しています。知人の紹介が重なったこともあり、2017年に学びに一歩踏み出したのです。
独立開業をしたのは、2000年。前職のアリコジャパンでは、それなりに結果を出せていて、高い報酬ももらっていました。しかし、私が追求をしていきたいのはお金でも商品でもなく、社会に貢献できる「人」を増やし、そして幸せに働ける会社であると、気がついたのです。その理想の実現は、前職では難しいと思い、起業を決意したのです。それ以来、順風満帆だったかというと、決してそうではなく、たくさんの試練と向き合い、一歩ずつ会社を発展させてきました。初受講当初は、採用と育成がなかなかうまくいかないという課題と直面していました。どうしたら会社が一致団結して、採用した社員が辞めずに活躍し続けてくれるのか。そんなことを求めて、『頂点への道』講座に参加したのです。
「伝達力を高めたい」初受講で湧き上がった願望
初受講で一番驚いたのは、アチーブメント社員の立ち居振る舞いでした。講師である青木社長のメッセージが一流であることは、以前から知っていましたが、その青木社長の思いを一人ひとりの社員が代弁して顧客と真剣に向き合っていたのです。新卒入社から間もない社員であったとしても、堂々と会社の理念や存在意義、自分がここで働く理由を語れていることにとても感銘を受けました。こんな組織を作りたいと思いました。受講を進めていくと、プロスピーカーの方々の感動的なメッセージを伺います。そのメッセージに心を動かされた感覚があり、まさに私が手にしたいのはこの「伝達力」であると。これを手にして、強い会社を作り上げていきたいという思いが湧き上がってきたのです。そこから、アチーブメント社の講座やプログラムなどありとあらゆる学びに足を運んでは、必死に勉強し、自分を高め続けていきました。
愚直に実践し組織の水質が変化
「心豊かな人生のために」。これは弊社の企業理念に入れている言葉です。私自身はもちろんそう思って働いていましたが、全社員にこの思いが伝わっているかと言われれば疑問でした。「明確な理念を掲げても、それに対する共感を作れていなければ、浸透はしていかない」。それならば講座で学んだ、理念浸透のための取り組みを全て実践しようと決意したのです。
大切なのは組織の文化を作り上げていくこと。その文化は一人ひとりの社員の考え方から生まれます。では、いかにして考え方を伝承し、高めてもらうのか。それは、現場で一緒にやるしかないと思いました。幹部とのミーティングの時間を増やし、理念から一貫した行動とはなにか、具体的な事例を挙げて話し合いをしていきました。また、営業現場にはもうほとんど出ていませんでしたが、一番の価値観教育は同行することであると学び、お客様への提案やフォローなどに、定期的に同席するようにしました。お客様が満足をし、感動をしてくださる瞬間、まさに文字通り理念の「心豊かな人生のために」が体現されている瞬間を、隣りに座って見てもらうのです。それが、社員の職業感を高め、自信を身に付けてもらうにはとても効果的でした。少しでも価値観がずれているかもしれないと思ったときには、どんなに忙しくても現場に入り、見せて指導をする。これが組織の文化を大きく変えてくれた取り組みでした。
業界を牽引し、変革を遂げる存在として
お陰様で受講から約5年、売上は1.5倍、8割ほどあった離職率は2割まで下がり、歩合制ではなく固定給を選ぶ社員の割合が1.5倍になりました。お金を稼ぐことが全てではなく、理念に共感し、会社とともに成長・発展していきたいという社員が着実に増えている証です。そして、赤字と黒字をさまよっていたところから、今では利益率はかつての10倍、6000万円以上の利益を上げることができるようになり、盤石な組織へと成長をしています。その背景にあるのは、社員一人ひとりが理念を体現するにはどうしたらいいのかという視点で仕事をするようになってくれたという変化でした。サービスの質が上がったのです。社員とお客様とともに豊かになること、そんな理想を追求し続けたいと思います。
保険業界は、ITやAIの進化によって、多くの販売員が職を失う可能性があると危惧されています。社会成長の見通しも不透明だからこそ、これまでの当たり前にとらわれない保険代理店の形を切り開いていくことが求められていると思います。お陰様で、一般社団法人 愛知県損害保険代理業協会でも、会長を務めさせていただいており、業界そのものの仕組みの変革に着手できる役割をいただいています。自社の発展にとどまらず、業界に・社会にさらに貢献していけるよう、これからも力を尽くして取り組んでまいります。