創業者の父から、売り上げ減のタイミングで事業承継 「V字回復したい」と売り上げ10億円を目標設定
私は現在、創業50年を迎える社会保険労務士事務所の二代目代表を務めています。社労士事務所は平均売上1,600万円といわれますが、近年は売上14.5億円を達成。140名の社員とともに、お客様の企業理念の実現を支援しています。
創業者である私の父は全国社会保険労務士会連合会の会長を4期8年にわたり務め上げ、数多くの法改正を成し遂げた業界の変革者でした。その父が経営する事務所に1994年に入所。20年以上、仕事に邁進してきました。
そんな折、知人からの紹介で『頂点への道』講座を紹介いただき、2013年に初受講しました。当時は事務所の業績も好調だったため、「こうした考え方も大切だな」と納得しつつも、一回きりの学びに留まっていました。
転機が訪れたのはその3年後。長く依存していた大手企業との提携解消などが重なり、売上が7億円から5億円へと一気に2億円も急降下する危機に直面。そのタイミングで、私が代表に就任することに。「何とかしなければ」という焦りと強い危機感から、私は就任直前に講座を再受講。「2020年までに売上を2倍の10億円にする」という新たな目標を掲げ、再スタートを切りました。
プライオリティマネジメントを実践目標達成の先に気づいた「真の目的」
再受講後、徹底して「プライオリティマネジメント」を現場で実行しました。目先の仕事をこなすだけではなく、提携先の開拓など未来への種まきをし続け、文字通り死に物狂いで働きました。結果として掲げた目標は2年前倒しで達成。しかし、いざ売上10億円という目標を達成したとき、思っていたほどの充実感はありませんでした。
違和感の正体に気づいたのは、体験型研修である『ダイナミックアドバンスコース』を受講したときでした。自らの人生の目的と向き合うセッションのなかで、「一度きりの人生の幕を閉じるとき、本当に手にしたいものは何か」と向き合ったのです。
実は、それまでの私を突き動かしていた原動力は、「周囲を見返したい」という強烈な反発心でした。幼い頃からどこへ行っても「会長の息子」。血の滲むような努力をしてテストで良い点を取っても、泥だらけになって野球のスタメンを掴み取っても、周囲の評価は「親が良いから」「会長の息子だから」。代表就任時に売上10億円の目標設定をした背景にあったのは、V字回復させることで数字で黙らせよう、見返そうという気持ちでした。
しかし、講座で自らと深く向き合ううちに気づいたのは、私の達成を誰よりも信じ、一番近くで支え続けてくれた妻の存在でした。「智ちゃんならやれるよ。あなたはすごい」。売上10億円の目標を掲げ、達成できたのは、彼女の温かい支えあってこそでした。妻を幸せにしたい。家族を大切にしたい。そして、一緒に働く社員やその家族、お客様を幸せにすることを私は求めている。心からそう思えたのです。
明確なビジョンに向かい社員の願望実現を支援 売上14.5億円・社員140名の組織へ
「社労士として誰もが幸せを実感できる社会をつくりたい。私たちの仕事は、お客様が一番大切にする企業理念やビジョンを達成できるよう支援することだ」。私の仕事への解釈は根底から変わりました。
再受講を重ねるなかで、『選択理論心理学』がこれまでとは全く違う深さで腑に落ちたのです。お客様を幸せにするには、まず自社の社員を幸せにしなければなりません。社員一人ひとりの「願望」に寄り添うようになり、数字の話ばかりだった面談は、「何のためにここで働くのか」「何を成し遂げたいのか」を問いかけ、彼らの願望を果たすための時間へと変えました。
「お客様が一番大切にしている企業理念やビジョンをともに達成する。そんな会社を世の中に広めていきたいんだ」。このメッセージを何度も伝え続けました。結果、支援の質が劇的に変化し、売上14.5億円にまで成長。社員の幸せとともに、組織も着実に成長を遂げたのです。
目的に生きるなかで、「越えるべき壁」として長年自ら心を閉ざしていた父とも、会社や社員の未来について本音で語り合う時間が増えました。創立50周年記念式典では、父と私の二人から、大切なパートナーや社員、その家族に向けて、同じ想いで心からのメッセージを届けることができました。
周囲を見返すためではなく、本当に成し遂げたい人生の目的をもち「それを実現するために日本一になるんだ」と心から伝えられるようになりました。だからこそ、140名の仲間たちが心を一つにして、同じ目標に向かって走ってくれるようになったのだと思います。
目的の先に描く使命経営者を支える日本一のパートナーへ
私は経営者が、経営という山を登っていくのを支援する「シェルパ(※)」のような存在でありたいと考えています。お客様の自己実現や、その人が幸せになる世界観を一番近くで応援したいのです。
経営者がこの学びを実践すると社員との関係が良くなり、今度は社員が学び、その家族の関係性までもが良くなっていく。これが広がっていけば、素晴らしい世の中になると思いませんか。この幸せの連鎖を創り出すのは、経営者の自己実現を一番近くで支える私たち社会保険労務士なのです。
だからこそ、この支援を世の中に広げて職場環境を良くし、社会全体を良くしていくことが私の大きな使命です。これからもこの1点に向けて、最高の仲間たちとブレずに走り続けてまいります。
※主にヒマラヤ山脈などの高所登山で、荷物の運搬や道案内、
安全管理を行い登山隊をサポートするネパールの山岳ガイド











