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事業承継の不安を乗り越えた目的と理念への確信 組織文化を変革し過去最高売上132億円を達成

中島 土ジェイリース株式会社 代表取締役社長
課題
事業承継を控え
不安を抱えた日々
上意下達の組織文化
カリスマ創業者に頼りすぎる
日々の実践
効果
企業理念とビジョンの実現に向けた
一貫した行動が取れるように
社員の目的目標がより明確になり
主体性を育む文化へ
理念経営が加速し
過去最高業績を達成

事業承継を控え、抱えていた不安や恐れ

「いいか土、お前は社長になるんだ」。幼い頃から祖父と父にそう言われて育ってきました。私が大学生の時に、父が発起人の一人となって新たな会社を創業。青年会議所のメンバー約50名が中心となってつくった会社が、現在のジェイリース株式会社です。その後、父の勧めで大分青年会議所にも入会し、ありがたいことに日本青年会議所の第71代会頭を務めさせていただきました。そして退任後の2023年6月に、ジェイリース株式会社の代表取締役社長へと就任をしました。
しかし、正直この時の私は、不安でいっぱいでした。東証プライム市場に上場し、より大きな責任を持つ企業へと成長を遂げていましたが、その立役者は間違いなく父でした。そんな大きなカリスマ性を持つ尊敬する父と比較をして不安になる自分がいたのです。社員の皆さんに認めてもらえるのか。価値を生み出し続けてお客様に貢献できるのか、と。ちょうどこのころに、日本青年会議所第170回総会で青木社長とお話をさせていただく機会がありました。経営者として卓越した成果を出しているにも関わらず、社会のため青年のために貢献し続ける青木社長の愛情あふれる心が伝わり、「この方から学びたい」と思い、2023年2月に『頂点への道』講座を受講しました。

恐れを乗り越える目的への確信

受講をするなかで、青木社長の理念経営を本気で追求する姿、一切の私利私欲を抜きに、目的から判断し続けてきた経営者としての在り方に深く感銘を受けました。振り返ると、どこか自分中心の思いに支配されていたことにも気がついたのです。「そうか、私自身、本気で理念を追求していないから、人と比較してしまうのか」、そう思ったのです。確かにこれまで日本青年会議所で学ばせていただいたこともその通りでした。そして、お会いしてきた偉大な先輩や経営者の方々もまさしく、理念と目的を追求されていたことを改めて知ることとなったのです。シンプルですが、ここに私の人生のテーマがあると確信し、アチーブメントで学び続けると決意。「誰のために、何のために、なぜ経営をしているのか」「リーダーとして、人として、どう在りたいのか」を自問自答し続けていったのです。
実は会社が掲げている理念とビジョンは、多くの社員と話し合い決めたものです。その時の決意や、ともに働く仲間の思いに立ち返ったときに、「もっとみんなと幸せになりたい。もっとみんなの自己実現に貢献できるリーダーになりたい」という理想が私のなかで明確になっていったのです。気がつくと、不安や恐れがどんどん薄まり、理念と目的から一貫した生き方を手にしていきました。理念と目的こそが人生に力を与えてくれるものだということ、そしてそれを追求し続けるからこそ、ぶれずに行動し続けることができるということ。私にとってのまさにパラダイムシフトとなりました。

理念経営が加速、全員で目的を
追求する一体感のある組織に

ジェイリースの理念の中核である「全社員と私たちに関わるすべての人の幸せを追求する」。学びのお陰で会社の理念と私の人生の理念が完全に合致しました。特に社内に対しては、社員にとっての幸せとは何か。本当に望んでいることは何かと、深く考えるようになり、自分と人との評価にこだわらなくなり、自然と社員の成長に貢献することに喜びを感じるようになったのです。その取り組みの一つとして、社員向け研修i-Standardを導入。私が得たこの価値ある学びをもっと社員に還元したい、という思いからスタートしました。研修のなかでは普段なかなか聞くことができないお互いの理念と目的を聞くことができ、組織風土が理念型に変化する大きなきっかけとなりました。売上や利益を達成するためにも、ここで得た「心の繋がり」は、お金では買えない計り知れない価値がありました。また、毎週朝に映像プログラムを活用した任意の社内勉強会を開催。最初は役員のみの参加でしたが、マネジメントに悩む管理職や上司が変わっていく姿を見て口コミで参加者が増えていったのです。今では150名以上の社員が参加し、お互いのシェアの時間を通じて、心の繋がりがさらに強くなっていきました。「もっと仲間のために、大切な人のために成長したい」。そんな社員の声を多く聞くことができ、チームとしての一体感が醸成されていったのです。
おかげさまで、2024年3月期には売上132億円で過去最高業績を更新。目標達成の喜びとともに、学びを経て社員一人ひとりが自己実現に向けて成長してくれたことが私の何よりの喜びです。

リーダーとして、大きな幸せを
追求するプラットフォームへ

これまでの会社での経験、青年会議所の運動を通して、理想のリーダー像のモデルは頭のなかにありました。そして受講を通して自分がそうなると確信できるまで昇華させることが出来たのです。真のリーダーとは、利己的な自分中心の動機ではなく、愛を持って利他的に行動を起こし続ける人です。「私がどうしたいか」ではなく、すべては「あなたのためにどうしたらいいか」から始まるのだと思います。社長として、一人の人間として、目の前の人を心から愛し、まず願望実現の支援をする。そしてその方の可能力を信じ、一緒に成長するということを大切にしています。
ジェイリースの理念・ビジョンを実現するために、大きな“会社”にするのではなく、大きな“幸せを生み出し続けるプラットフォーム”にしていこうと改めて心に決めています。そしてそれが今後も増収増益、目標の達成に必要なことだと信じています。これからも世のため人のために貢献をし、社会をより良くするリーダーとして挑戦し続けていきたいと思います。

プロフィール
全国約3万名の会員数を誇る公益社団法人日本青年会議所(JC)2022年度、第71代会頭。2023年6月に、父から事業承継し、代表取締役社長に就任。全国36拠点を展開する、保証関連事業を経営。2016年6月に東証マザーズ市場に上場、2018年3月に東証一部へ市場変更、現在はプライム市場に上場している。理念の中核に「全社員と私達に関わる全ての人の幸せを追求する」を掲げ、理念経営に取り組んだ結果、2024年3月期には売上132億円、営業利益26億円の過去最高業績を更新。
2023年6月父から事業承継
経営者として社員の成長に貢献することを決意

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