日本一を達成も、モヤモヤする日々
突破口を求めて受講
「どこか人生をやりきってしまった感じがする」。そう感じたのは60歳を過ぎたときのことでした。
私は5人兄弟の長男として生まれ、創業経営者の父から「いつか会社を継ぎなさい」と厳しく育てられました。父に言われたとおり商社へ入社。アパレル部門で成果を残したものの、父の会社に入る前に自分で実績をつくりたいと39歳で独立。ブランディング支援や海外のアクセサリーを販売する会社など5社を経営しました。しかし2008年、アメリカに住む友人から「これから世界的不況がきて日本にも影響がある」という情報を入手。その後のリーマンショックで売上は4割まで下がりましたが、事前に手を打ったおかげで何とか社員を守ることができました。
同時期、突然父が事故で亡くなりました。ロータリークラブの会長も務め、顔の広い父でしたが自社株対策をしておらず相続税が払えないことが発覚。結局、会社は手放すことになったのです。
「経営者にはお金のプロが必要」。そう確信した私は、業界では異例の47歳で生命保険会社に入社。お陰様で3年でチャンピオンとなり専属代理店として独立。独立後は4年連続日本一を達成しました。
しかし還暦を迎えたころから、どこか「もういいだろう」という燃え尽きたような気持ちと「もっとできる」という思いが交錯しモヤモヤしていました。そこで2023年8月、何かを変えたいと『頂点への道』講座を受講しました。
見つめ直した人生の目的とマネジメント手法
3日間の講義でまず学びになったのは「経営者は人生理念づくりからはじめなさい」という青木先生の言葉です。企業理念は定めたものの、個人の理念やライフデザインはあまり考えたことがありませんでした。ホームワークでこれまでの人生の棚卸しをし、誰のために・何のために・どんな人生を生きたいか、改めて自分に問い直しました。
すると、「妻とともに幸せになる」「お金のプロとして中小企業を元気にしたい」という人生の目的が腹落ちし、熱い気持ちが蘇りました。
さらに衝撃だったのが選択理論心理学です。選択理論では、人は内側から動機づけられて行動すると考えます。「人を変えることはできない」「すべては自分が源」。この選択理論の考えは、当時の自分とは真逆でした。うまくいかないことは、すべて人のせいにし、社員を自分のいうとおりに行動させようとしていたからです。
一方で、選択理論を土台にしたマネジメントに可能性も感じていました。なぜなら60年の人生のなかで、個人では目標を達成してきましたが、経営者として組織でパフォーマンスを上げることには不足感を感じていたからです。
選択理論を実践し、ビジョンを実現するには到底3日では足りない。そう考えた私は、初受講のなかで上位講座はもちろん、3か月に一度は再受講をし続けると決めました。
選択理論を土台にした
コミュニケーション・組織づくりへの挑戦
まず実践をしたことは、一方的なコミュニケーションを排除することです。以前の私は、社員がミスをすると、怒鳴ったり厳しい指導をしたりしたあげくに「あとは自分でやるから」というのが口癖でした。受講後はこれらを一切やめ、選択理論の身につけたい7つの習慣を意識。ミスが起きても、まず社員がどう思っているのかを質問、傾聴することに努めました。そしてどうすれば改善できるかをともに考え、少しずつ仕事を委任していったのです。
私の変わりようは、正直、社員が違和感を感じるほどだったと思います。私自身も、当初は昔の自分に戻りそうになることも多かったですが、3か月に一度の再受講と現場の実践を繰り返すなかで選択理論を土台にしたコミュニケーションを選べるようになりました。
次に取り組んだのは、理念から一貫した組織づくりです。いまも挑戦中ではありますが、会社のビジョンや目指す姿を共有したり、社員一人ひとりの理想の状態を質問し、願望を明確にする支援をしたりしています。すると、前年は年間売上が3億円の組織でしたが、3か月で2億円の売上をつくれる組織に成長していきました。
また、選択理論はプライベートでも大変役に立ちました。実は初受講の日、妻から「私の堪忍袋はもう満杯です」と言われていました。忙しさにかまけてこれまで妻の話を真剣に聞いていなかった自分を反省。妻の立場に立って求めていることを考え、一緒に過ごす時間を増やしました。最近は「私のことを考えてくれていることが伝わる」と言ってもらえるようになり幸せを感じています。
初受講から1年3か月。まだまだ道半ばですが、目的から一貫した組織づくりへの挑戦と選択理論のおかげで、経営者としても個人としてもストレスフリーになりました。
1万社の中小企業に「夢の逆算のプロ」として貢献し
日本を明るくする
『夢の逆算のプロ®』。それは資産形成のみならず中小企業経営者に総合的なアドバイスができる人材です。私はその人材を日本に根付かせたいと考えています。自分一人では到底できないかもしれない大きなビジョンですが、同じ志をもつ仲間とであれば可能だと考えています。そして仲間とともに、10年間で1万社の中小企業のパートナーとして貢献することを目指しています。
そして古希のお祝いに武道館を貸し切り、1万社の代表者をご招待。出口で一人ひとりのお客様にお礼を伝えてお見送りをしたい。そんなイメージでワクワクしています。受講で拡張したこのビジョン実現に向けて、これからも学び続け、精進してまいります。