拭い去れない限界感、高い壁との闘い
「どうやったらもっと保険業界で成果を出せるのだろうか」。初受講前は、そんな疑問をいだきながら、保険営業の仕事に従事していました。もともと営業職の経験は長かったこともあり、トップ5%と言われるMDRT会員には既に入会していました。一見すると結果が出ていて不足はない状態でしたが、どこか未来に対して見通しを持てない自分がいたのです。
稼働時間パンパンにスケジュールを詰め込んで働いていたので、正直どうしたらこれ以上の成果が出せるのか分かりませんでした。COT、TOTのタイトルはもちろん目指したかったのですが、個人保険をメインとして、しかも地方で活動をしている身としては、とても高い壁のようで、夢のまた夢なんだろうなと思っていました。そんなときに、同じ会社でTOTのタイトルを取られている同僚に紹介され受講したのが『頂点への道』講座だったのです。
噛み締めた母の愛情、成果へ向かう原動力に
スタンダードコースを受講して最も印象に残ったのは、講師のメッセージの質でした。すべてのメッセージが机上の空論ではなく、現場で積み上げた実に裏付けされたもので、すごく説得力があったのです。まさにやってきているからこそ伝わるメッセージであり、自分よりも成果を上げている人が会場には山ほどいて、ここにいる人のレベルの高さに衝撃を受けたのを覚えています。受講生と関わっていれば、実践的な学びを得られて、私も何か変わるかもしれない。そう思って継続学習を決意しました。
初めは成果が上がる方法論を求めていましたが、講座を進む中で真剣に向き合ったのは母との関係でした。私は育ちが母子家庭で、大切にされてきた実感があまりなく、「恵まれていない子ども」と自分にレッテルを貼っていました。しかし、身近な人とこそ良好な関係を築こうと努力する受講生仲間に後押しされ、私も母と腹を割って話そうと決めました。抱えてきた劣等感を正直に伝えたところ、母は私を育てた思いを聞かせてくれました。そこには私の知らなかった多くの苦労があったのです。女手一つでの子育ては簡単ではありません。母は出来る限りの愛情を私に与えてくれたのです。
私も子を持つ一人の父です。親にとって子どもがどれだけ大切かはよく知っています。母もきっと私をそう思っていたのだと腑に落ちたときに、どれだけ愛されてきたのかを噛み締めました。たくさんのマイナスの感情が抜けていったような気がしました。そして、今度は自分が愛を与えられる立場に立っていきたいと強く思ったのです。心の底から相手を思いやり、寄り添った仕事をすると決めました。
行き着いたのは「当たり前」を徹底すること
自分に対する捉え方が変わり、気持ちがストレートにお客様に向くようになりました。そこで、優績者を見習い、マネーセミナーを活用した営業スタイルを導入し、アシスタントを雇って事務処理を手伝っていただき、お客様と関わることに集中しました。そうして受講から2年後にCOTというタイトルを達成できました。正直ここまでは真似をすればたどり着けましたが、この先が本当に未知の領域だったのです。「COTの2倍の基準であるTOTは、物理的に無理だろう」。そう思っていました。
なんとか打開策がないかと、講座で学んだことを振り返ったところ、「当たり前のことを当たり前に、特別に、熱心に、しかも徹底的に実行する」という青木社長のメッセージに立ち戻りました。実際にトップを取ってきた人が言うのであれば素直に実践しようと、特別なことではなく、目の前の一歩から歩もうと思ったのです。私にとっての当たり前とはシンプルで、ファイナンシャル・プランニングを通してお客様の願望を叶えること。
そのためには、まず私の付加価値を高めることです。お客様は私の時間ではなく、私が提供する価値にお金を払います。それまでアポイントを優先して、学ぶ時間を犠牲にすることがありましたが、今は絶対にしません。自分の価値を高めずして、お客様にお会いしても意味がないからです。講座受講や専門知識を学ぶ時間を最優先で確保しました。
次に貢献人数にこだわりました。大きな成果を目指すと、顧客単価に焦点が行きがちですが、それは売り手本位だと私は思います。本当に大切なのは、一人ひとりの人生と真剣に誠心誠意向き合うことです。目の前の一件の面会の内容にとにかくこだわりました。一家の未来を話すので夫婦お二人でないと面会しない、契約は3回目の面会でお預かりする、本当に求めている方だけと会う、絶対に満足してもらえるプランだけ提案する、など自分で決めた基準をすべて守り続けてきました。近道しようとせず、型どおりに丁寧にすべての面会をしてきました。もっと簡単に成果を上げる方法はもしかしたら他にもあるかもしれません。しかし、それは一時的な成果に過ぎないもので、私が目指している「お客様からの信頼で行列ができるファイナンシャル・プランニング事務所」とは違うと割り切りました。
すると、気がついた頃には断られることがなくなり、依頼せずともお客様から「私の大切な人と会ってもらえますか?」というご紹介や、自発的に追加契約の申し出をいただけるようになったのです。そして、2017年12月、たくさんの方の支えのおかげで、年間907件のご契約をお預かりし、無事にTOTを達成することが出来ました。
関わる人に貢献することが生きる喜びに
何よりも得られたのは成果を上げ続けられる自信です。行き当たりばったりの営業ではなく、一件一件丁寧に積み上げてきた自負があります。積み上げてきたものは絶対に崩れません。そして、信頼をいただけているという大きな財産のおかげで、今後も同じ成果を作り出し続けられる確信があるのです。
しかし、振り返ったときに何一つ特別なことをしてきていません。誰でもできることを徹底的にやり続けただけでした。それはすべて講座で学んだことだったのです。だからこそ、原理原則を学び、実行をすれば誰でも必ず成果を出していけると身をもって伝えられます。
今は自分の達成だけでなく、周囲の方やお客様を豊かな人生に導けるよう、貢献の幅を拡張しています。継続開催している勉強会は2年を迎えました。JPSA北九州支部の立ち上げにも尽力し、形になりました。人の役に立ち、喜んでもらえることが、何よりの自分の喜びだと知っているからこそ、もっと貢献の幅を広げていきたいと思っています。そして、私と出会って人生が豊かになったと言って貰える方を増やし続けることにこれからも力を入れていきます。
ただし、それは毎日毎日出会う目の前のお一人への真心のこもった関わりからしか生まれません。どこまでも、当たり前のことを徹底し続けて、さらなる高みを目指してまいります。