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『理念』がすべてを繋ぎ、理念浸透が劇的に促進

長澤 貢多ナサ工業株式会社 代表取締役
課題
独りよがりの風土改革に、社内から「もう社長についていくのは疲れました」という声が上がっていた。
効果
社員から「『日本で』最も憧れられる会社を目指しましょう」と言う声が自主的に上がるようになった。
一人あたりの経常利益が前期に比べて倍になり、生産性も120%の向上を果たした。

急速な変革による社内の疑問の声と逆風

大学卒業後には住宅メーカーにて、7年ほど勤務した後、親の会社で働くことになり、社長に就任。そこでまず私が取り組んだことが、数多くの「改革」でした。 中でも変えたかったのが当時の弊社の特徴、「消極的な風土」でした。特に、前職場は中途のプロ社員に囲まれ自由闊達・自主的な風土だったのに対して、地方の一介の中小企業の弊社では、高い目標を掲げ、全員で積極的にそこに向かうといった風土が見られず、どことなく不足感を感じてしまっていたのです。
代表に就任した私は、こうした風土改革のために、世の中に溢れる経営の手法を次々と導入し、まさに「ありとあらゆること」に取り組みました。「なんとかこの会社をより良いものにしてみせる」との思いで夢中で取り組み8年が経過した頃、次第に社内からは「もう社長についていくのは疲れました」という声が上がります。会社のためと思って取り組んできた施策が、独りよがりだったことにショックを受け、経営への情熱と努力の一方で生じるこうした現実に不安を抱いていました。
そんな頃に出逢ったのがアチーブメントです。まず手に取ったのが青木社長の『クオリティ・カンパニー』。「経営とは縁ある人を幸せにすることである」と言う一節に強く共感するとともに、貪るように読み込み、出てくる文章にとにかく線を引き続けました。「ここなら解決の糸口が見つかるかもしれない」、希望を求めてスタンダードコースを受講したのです。

理念が体系化され、『全て』を繋いだ

受講時にまず何よりも得られたのが、『理念』が軸として確立したことです。目的が曖昧なまま作った企業理念が、スタンダードコースの受講で得た学びにより「生きた理念」として蘇り、日々の行動・活動をつなげる基盤となりました。
さらにその後の『頂点への道』シリーズを受講していく中で、自分自身の「真価」というものを発見することができました。ダイナミック・アドバンスコースの中で気づいたのが、私の心からの喜びは、「人を活かすこと 周囲の人間が活きること」だということでした。これに気付いた時に、体温が上がり、震えるほどの感動と喜びを感じました。今の私の人生理念はまさにこの時の気づきが土台となって形成されています。自らの理念が明確化することで、この理念に即して「社員を生かす」ためには何ができるのかを考えて、実行していきました。
受講から1年後には、『理念ブック』をまとめ、全社員に配布し理念経営をキックオフしました。社是・企業理念・行動規範・ビジョン・社史などを整理、統合し、理念体系を社員に提示することができました。背骨ともいえる、軸が形成されたことで、判断軸が明確になっただけではなく、これまで断片的に行っていた施策が理念・目的として有機的に繋がり、意義ある活動として発展していきました。

トップ層から理念浸透が加速

理念の確立により、その後もトップ層から理念が浸透していきました。幹部がスタンダードコースを受講した後には、全社員の10%のリーダー層で組織変革プログラムの『i-Standard』を受講しました。会社の理念・目的・価値観を深いレベルで共有し、アチーブメントピラミッドの概念に即して、社員が自らのピラミッドを明確化するとともに、会社とのピラミッドが一致していくことが手に取るようにわかりました。
研修実施後はリーダー層の姿勢が大きく変化したことを、身を持って感じています。日々、理念を唱和する内、「一塊」「上質」などが社員の中から好きな言葉として挙がってくるようになりました。特に印象的なのが、私がビジョンとして掲げていた「町内で最も憧れられる会社」という一節に対して、「社長、私たちはそんなレベルを目指していません。『日本で』最も憧れられる会社を目指しましょう」と社員から自主的に声が上がってきたことです。かつて上から強いていた幾つもの施策で社員を疲弊させていた頃からでは考えられない声であり、まさに、会社の理念・ビジョンが自分の理念・ビジョンと一致し、「理念が自分事」となった一つの証だと思います。 さらに幹部の意識の変化だけではなく、選択理論心理学など教えていただいたことからの「共通言語」を浸透させたことで、社内でのコミュニケーションの質が格段に高まるとともに、意思決定の速度が劇的に速まりました。新規事業やあらたな施策に対して柔軟に対応するだけではなく、そこに対する疑い・迷いがなくなっていると思います。実感だけではなく数値でも、一人あたりの経常利益は前期に比べて倍、生産性の数値も120%の向上を果たすなど、具体的な成果でも大きな変化が表れています。

限りない『貢献の追求』へ

まだまだ道半ばとはいえ、「なぜここまで理念浸透が速く進んだのか」とよく聞かれることがありますが、私自身が体感したように、「経営者自身が願望を明確にし、公明正大に求め続けたから」だと思います。世の中に、経営理念の作り方をハウツーとして伝えている研修は多々ありますが、『頂点への道』は自分との対話の連続。本当に自分の望んでいることを明確化し、理念に落とし込んだからこそ、幹部やリーダー層が力を貸してくれ、組織変革が進んでいるのだと思います。理念という軸が、私と社員を繋ぎ、揺るぎない絆を創ったのだと言えるでしょう。 かつての私がそうだったように、事業承継をした時には、どうしても急速な改革を進めてしまいがちです。しかし、たとえ先代のやり方に疑問があったとしても、長い期間で経営が「継続」され、社会に貢献してきたということは、その会社は「正しかった」ということに他なりません。理念ブックに社史を記載した理由は、それらの歴史の上に自分たちが立ち、また、今の理念や価値観があるということの象徴なのです。
青木社長が常々おっしゃるように、経営の目的は利潤の追求ではありません。弊社の言葉で言うならそれは『貢献の追求』と言えるでしょう。私たちが発展していくということは、社会に対して限りなく貢献をしていくことだと思います。まさに『成功は正しい』の言葉を胸に、これからも全社一塊となり、「日本で最も憧れられる」会社、永続を旨とした組織継承に向けて邁進してまいります。

プロフィール
大学卒業後、住宅メーカーにて勤務後、1969年創業の父の会社を事業承継する。『頂点への道』講座を受講後、理念体系のもとに採用、育成、人事制度が統合され、驚異的な速度で理念浸透が実現。「社員満足度100%」を始めとしたビジョン実現に向け、数多くの取り組みを実施している。企業として優秀板金技能フェアでは経済産業大臣賞を受賞すると共に、地域創生や教育の分野など、社会的発信の場でも、目的志向・内的コントロールなどを伝える機会が増加している。
永続企業に向けナサ工業の挑戦は限りなく続く
「上質の追求」の成果として経済産業大臣賞を受賞
体系化された『理念ブック』が組織の盤石な土台を形成

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